最高峰を目指して作ったモデルハウス

通常より一回りも二回りも大きな無垢材を、歴史的建造物と同様、大工による手刻み加工で組付けて、制振ダンパーを組み合わせ、最も強い木造住宅を目指した。

セルロースファイバーという断熱材を家全体、間仕切り壁まで施工し、妥協なき断熱性能を目指した。通常より太い柱を使っているため、外壁と内壁の空間が広く、一般的な住宅よりもより多くの断熱材が充填されている。

遮熱性能にこだわり、屋根瓦は遮熱性能のあるもの、ルーフィングも遮熱性能のあるもの、外壁の透湿防水シートも遮熱性能のあるものを採用した。一般的なスレート葺きに比べ、真夏の小屋裏の温度は驚くほど低い。

湿気をこもらせないよう透湿性能にとことんこだわり、透湿抵抗の高い建材の使用を避けた。野路板、フローリング下地まで、透湿抵抗の高いコンパネは使っていない。おかげで部屋干しの洗濯物がすぐ乾く。

より自然な冷暖房で、1年中快適に過ごせるよう、パネルシェードという、輻射熱式冷暖房を採用した。夏も冬も驚くほど快適である。もうエアコンなんて使えない。

給湯に使う電気代が浮くよう、エコキュートに太陽熱を組み合わせた物を採用。
3kwの太陽光発電も乗せている。オール電化で、60坪の家の年間の電気代が20万程度で、プラス、余剰売電の収入が年間5万円程度ある。1年中快適な家にもかかわらず、年間のランニングコストは驚くほど安い。

妥協せず、棟数を追い求めない

大手ほど効率を求め、規格品を造って莫大な利益を得る。
本当に良いものを造る人は、利益では動かないし、規格品も造らないし、数は追わない。年間2棟しかできないかもしれないが、それでいい。自分の仕事に意地とプライドを持って、住まい手に最高の家を造りたいから。

料理で例えるなら、食べる人の好みを聞いて、材料から取り揃え、手作りで最高の料理を作る。それがテラホームの家造り。
対し今のハウスメーカーは、規格化され、セントラルキッチンで調理された料理を出すファミレスと同じである。

私たちが造る家と、大手ハウスメーカーが造る家、坪単価が同じだとしたら、施主にとってより良い、資産価値の高い家はどちらだろうか…

通常は、規格化されたものは量産体制に入れるので価格が下がる。しかし、大手ハウスメーカーの住宅は高いまま。テレビCMなどを駆使した高度なブランディング戦略により、高い価格でも売れるように仕組まれているからだ。
それほど品質が高いわけでもないのに、「◯◯」と名前が付いただけで価格が何倍にもなってしまうブランドバックなどと同じではないだろうか。

注文住宅の定義とは

大抵のハウスメーカーは効率化を重視するため、キッチン等の装備の選択肢が、A or B しかなかったりする。私たちはそれを半注文住宅と呼ぶ。
家全部のフルオーダーが可能なのが、本当の注文住宅ではないだろうか。

どんなキッチンでも、どんなユニットバスでも、施主の要望通りに造る。
照明、スイッチひとつでも、施主に決めてもらう。
施主は決めごとが多くて大変だが、「これとこれから選んでください」という売り方はしたくない。

特に、間取りの制限があるのが今のハウスメーカー。規格化している都合、規格に合わない間取りは作れない。
マンションや建売住宅であれば、家に合わせた住み方をするのが当然だが、なんで注文住宅でそんなことをしなくてはならないのだろうか。
その家族に合わせた最適な間取りで、最高の生活をしていただくのが、注文住宅を造る人間の責務ではないだろうか。

木への異常なまでのこだわり

どんなに太い梁でも無垢材。集成材は不使用。通し柱ももちろん無垢。
歴史的建造物が無垢材で造られ、何百年と存在している。
その工法に習い、30年弱で建て替えられてしまう今の日本の住宅を、100年持たせようと考えている。
土台はシロアリを寄せ付けないヒバ、梁は粘りのある松、柱やその他はヒノキを使い、場所場所に適した無垢材を使うことで、より堅牢な家になる。

対して集成材は歴史が浅く、接着剤の寿命が木の寿命になる。何年持つか分からない。実績のある無垢材で造るのがベスト。
集成材は狂わないので加工が容易だが、本物の大工は使わない。
本当の大工は木の性質、狂いを見抜いて無垢材を使える。
今は木を見抜けない大工が多いから、集成材などの新建材が多く使われる。
数をこなすハウスメーカーになると、腕の良い大工ばかり集めらないので、下手に無垢材を使うと後々曲がってクレームにつながる。そんな理由も合って、集成材が好まれる。本当に長持ちするのは無垢材なのに…
規格化された住宅というのは、誰が作っても一定の施工品質に収まるように出来ている。それはまるで、セントラルキッチンで作られた料理が、アルバイト店員でもきちんと提供できるようにシステム化された、ファミレスと同様なのである。

木にこだわっても断熱がダメだと家の寿命は短くなる。
木は湿気らなければ半永久的。湿気るからカビが生え、ダニが発生し、シロアリが来る。歴史的建造物の断熱性能は限りなく低いが、構造体全体に風が通る。だから湿気を帯びない。よって長持ちする。
とは言っても今の家には高性能の断熱が必須なので、木の性質を殺さないような断熱、木の呼吸をさまたげない工法が求められる。湿気がこもってしまうような断熱ではダメだ。

住み心地への異常なこだわり

家の壁を、湿気が行き来できるようにする。
それだけで住み心地が格段に良くなる。
家の中に湿気がこもらない、いつもカラッとしている。
雨の日でも、部屋干しした洗濯物が一晩で乾く。生乾き臭一切なし。
それは、湿気をこもらせないよう、透湿性能をとことん高めているから。
無垢材特有の吸湿性能にプラスして、セルロースファイバーという断熱材による吸湿性能の相乗効果もあり、部屋にこもった湿気が自然と吸収され、余った湿気は外壁を抜けて外に出ていくような構造になっている。

それにプラスして、輻射熱式冷暖房を採用することにより、一年中快適な家になる。
冬は、全部屋に床暖房が効いているのかと思うほど暖かく、2階は暖房が過剰になるため止めてしまうほど暖かい。
夏は、家にいると季節感を感じさせないほど快適である。家の中は春や秋の陽気なのだが、一歩外に出ると猛烈に暑い、という感覚。
風で暖めるファンヒーターや、風で冷やすエアコンが苦手の方には最高の空調である。